スタッフ日記

名古屋市、大治町、清須市、津島市、稲沢市、愛西市の方にご利用頂いている、あま市の あま動物病院の関です。

この時期は台風が多く、天候が不安定になりがちですね。
人では、気圧の影響などで体調を崩される方も少なくないことがわかってきています。
動物も同じで、下痢や嘔吐、元気食欲の低下の症状が出るコがいたり、中には気圧や雷、満月などの影響でてんかん発作を起こすコもいます。

みなさん、てんかんてご存じでしょうか?
てんかんは、突然意識を失ったり、痙攣したりするなどの「てんかん発作」を引き起こしてしまう病気です。
人の医療でも有名な病気ですが、犬や猫でも発症することが多い神経疾患の1つです。今回はてんかんの症状や原因、治療法などについて詳しく解説していきます。


【てんかんの症状】

てんかんの症状は主に「てんかん発作」です。
てんかん発作といっても、実際に目に見える症状はさまざまです。
発作型は脳のどの範囲で異常な電気活動が起こるかによって、大きく「焦点性発作」と「全般発作」の2つに分けられます。
焦点性発作は脳の一部で異常な電気活動が起きた場合を、全般発作は脳全体で異常な電気活動が起きた場合を指し、それぞれ現れる症状が異なります。
それぞれの発作で見られる症状としては、下記の様なものが挙げられます。

<焦点性発作>
・体の一部分の痙攣
・よだれが出る
・尻尾を追い回す
・幻覚
・ハエを追い回す様にして空中を噛む
・口をくちゃくちゃする

<全般発作>
・全身の筋肉が硬直する
・一定の間隔で筋肉の収縮が起こる
・脱力する
・意識がなくなる
・全身の痙攣
・犬かきのような動きをする

また、発作が5分以上続く場合や発作と発作の間に意識の回復が見られない場合を「発作重積」と呼びます。
発作重積が起きた場合はすぐに対処しないと脳障害などにより死に至ることも多いため、注意が必要です。
また、1日に2回以上の発作が起こる場合を「群発発作」と呼び、脳への負担が大きく、発作重責に移行しやすいことから、群発発作の場合も早めに病院を受診することをお勧めします。


【てんかんの原因】
てんかんはその原因により「特発性てんかん」、「症候性てんかん」、「潜因性てんかん」に分けられます。

・特発性てんかん
特発性てんかんは発作を引き起こす原因が脳やその他の体の部位に認められないもののことを指します。犬で多く見られます。

・症候性てんかん
症候性てんかんは脳に腫瘍や炎症、血管障害、奇形などが存在し、それらが発作の原因であることが明らかなもののことを指します。猫で多く見られます。

・潜因性てんかん
潜因性てんかんは症候性てんかんが疑われるものの、明らかな異常が認められず、特発性てんかんに見えるものを言います。


【てんかんの診断】

発作症状や頻度、発作の持続時間などから発作型を判断します。
自宅での発作の様子を動画撮影してきてもらうと、非常に有用です。
発作を引き起こす原因が脳以外に認められるか判断するために、血液検査などを行います。
血液検査に原因となるような異常がない場合、必要に応じてCT検査やMRI検査、脳脊髄検査、脳波検査も行い、発作の原因を精査することをお勧めします。


【てんかんの治療】

犬で最も多く見られる「特発性てんかん」の場合、発作が6ヶ月に2回以上起きる場合に治療を開始します。
治療は基本的には抗てんかん薬による薬物療法を行います。
抗てんかん薬を毎日服用し、発作の頻度と重篤度を軽減していきます。
抗てんかん薬の血中濃度が適正に保たれているかを確認するために、治療開始後しばらくしたら血液検査を行います。
抗てんかん薬は低用量から開始し、発作の様子を確認しながら必要であれば徐々に増量していきます。
1種類の抗てんかん薬では、発作のコントロールが難しい場合は、2~3種類の薬を併用する必要があります。
脳に腫瘍や炎症などが見られ、てんかんの原因となっていることが明らかな場合はそれらの治療を行います。
専門の医療機関で外科手術を受ける必要がある場合もあります。
「発作重積」が起きてしまった場合には、なるべく早く発作を止める必要があります。
状態により当院では入院治療をお勧めし、点滴や発作を抑える薬の静脈内投与を行います。



【発作が起きた場合の自宅での対処法】

自宅で発作が起きてしまった場合、かかりつけ病院で処方された鎮静剤があれば使用してください。
それ以外に自宅で発作を止めてあげることができる方法は特にありません。
発作が起きて激しく動き回っている場合には誤って咬まれない様に注意しながら、頭をぶつけない様に周りをクッションで囲ったり、タオルで体をくるんであげるといいでしょう。
また、脳に刺激を与えないために静かな部屋で明かりを暗めにしてあげてください。
発作がいつもよりも長く持続する場合や5分以上収まらない場合、発作が何度も連続して起こる場合には発作重責に陥ってしまっている可能性があるため、なるべく早く動物病院を受診してください。
発作の影響で体が熱くなってしまっている場合には、濡らしたタオルで体をくるんで病院へ向かってください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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