スタッフ日記

犬の椎間板ヘルニアについて、できるだけわかりやすく解説したいと思います。
犬の背骨は、首の骨が7個、胸が13個、腰が7個、そして骨盤の部分の仙骨、尾骨へと続きます。
これらの骨は、ブロック状に連なっており、前後の骨と関節を作っています。
下の絵を見ていただくと分かりやすいかもしれません。
これにより、首を回したり、腰を曲げたり延ばしたりできるわけですが、この様な日常的な動きでも骨と骨の間に圧力が生じます。
椎間板は、この圧力を吸収するクッションのような役割を果たしてくれています。

椎間板は、繊維輪という円盤の中に髄核というゼラチン状の物質が入っていて、弾力を保っています。 想像しやすく言うと、ゼリーが中に入ったグミのようなものです。 ゼリーが髄核、グミの部分が繊維輪といった感じです。 また、背骨の中には、脊髄という中枢神経が頭の後ろからシッポまで1本の紐の様に存在しています。 脊髄神経は、脳からの指令を身体の各部位へ伝えたり、逆に手や足など身体の各部位から様々な情報を脳に送ったりしている非常に大事な部分です。 例えば、机に置いてある暖かいペットボトルに触る仕草の場合について考えてみます。
ペットボトルに触るために手を伸ばすという指令が、脳で考えられて、脊髄へ伝わり、そして手の神経、さらに筋肉に伝わって手が動いて、ペットボトルに触ります。
暖かいペットボトルに触ると、ペットボトルの暖かさや感触が、手の神経から脊髄を伝わり、脳へと伝えられて、暖かいなどの感覚が理解されます。

さて、下の絵の様に、何らかの原因で、椎間板の髄核が飛び出して脊髄に物理的障害を与えたり、繊維輪が変形してきて脊髄に当たる様になると、その部分で脊髄神経の働きが低下してしまいます。
これが椎間板ヘルニアが起こる原理です。
次回は、原因や症状などについて書いていきたいと思います。