スタッフ日記

こんにちは! あま市にありますあま動物病院です。
8月に入り暑い日が続いていますね。
暑い時期になると増えてくるのが 皮膚トラブルの動物達です。
中でも多いのが ワンちゃんの膿皮症(のうひしょう)です。
今回は この膿皮症について書いてみます。

まずはどんな症状が出るのか?
初めは皮膚の表面に小さなブツブツ化膿した、例えるならニキビのようなものができます。
初めはできる数も少ないので、気づかずに経過してしまうと 徐々に炎症が皮膚の内部に深く広がり、数も増えてきます。

さらに進行すると、痒みや脱毛がひどくなり 炎症が全身に広がります。
この時には カサブタができたり、さらには皮膚が象のように厚くなる症例もあります。

発症する原因は?
ワンちゃんの皮膚には もともと住んでいる細菌がいくつかあります。
その中のブドウ球菌が原因菌となってしまうことがほとんどです。
通常 害を及ぼすことはないのですが、何らかの理由で皮膚の細菌バランスが崩れ
異常に増殖してしまうと症状が現れるようになります。

ワンちゃんは体温も高く、毛に覆われているので、皮膚は湿度の高い状態にあります。
こういった体質そのものも、細菌にとっては住み良い条件となり、異常増殖の手助けをしてしまうのです。
以上のことからしても、どの子でも発症する可能性があることが分かります。
どんな検査をするのか?
カビによる皮膚炎なども症状が似ていることがあるため、
毛を少し抜いたり、フケや皮膚表面の細胞を取り顕微鏡で細菌を検査します。

また、甲状腺機能やホルモンの異常からくる皮膚炎もあり、
そういった場合は説明の上、血液検査をさせて頂くこともあります。
どんな治療方法があるのか?
膿皮症の治療には、抗生物質の投与が有効です。
当院ではチキンのにおいが付いた飲み薬もございます。
また、直接炎症が起きている部分に薬剤を浸透させることのできる薬用シャンプーも効果が高いです。
シャンプー剤もお薬と同じように その子その子の症状に合わせたものを使用しなければ効果はなく、逆に症状を悪化させてしまいます。
ご自宅でのシャンプーが難しい場合は、院内に併設しているトリミングサロンで薬浴もできます。

膿皮症について、何となくお分かり頂けましたでしょうか?
最近体を痒がっているな、脱毛してカサカサしているな、と気になる症状がある場合は
お早目にご相談下さいね!

丹羽 知子