スタッフ日記

人と同様にやはり犬や猫でも、高脂血症つまり脂質異常症になることがあります。
ただ、犬や猫の場合は、人と比べて善玉コレステロールが多いことが多いため、動脈硬化の発生が少ないとされています。
しかし、人と比べれば少ないというだけで、動脈硬化にならないわけではありません。
そして、中性脂肪が高い(500mg/dl以上)と急性膵炎のリスクが高まります。
急性膵炎も命の危険のある恐ろしい病気です。



原因としては、人と同じく、遺伝性、生活習慣、他の病気から二次的に起こる場合があります。
犬種としては、シェットランドシープドックやシュナウザー、シーズーなどが遺伝的に脂質異常症になりやすいことがわかっています。
もちろん他の犬種や猫でも遺伝性の場合がありますので、生活習慣の問題や原因となる他の病気が見つからなければ、遺伝性かもしれません。
遺伝性の場合の治療としては、食事の変更や脂質を下げる薬の投与があげられます。
食事は、病院で扱っているような低脂肪・高繊維食が勧められます。
生活習慣が原因として考えられる場合も、食事の変更や間食の制限、適切な量の運動をさせる必要があります。
人と同じですね。
それでも改善がなければ、やはり内服薬の投与を検討しなければなりません。
他の病気から二次的に脂質異常症が起こってしまっている場合は、原因と考えられる病気の治療をおこなう必要があります。
原因となる病気としては、ホルモンの異常(糖尿病や甲状腺機能低下症、クッシング症候群)、腎臓病(ネフローゼ症候群や慢性腎臓病)、肝臓病などがあります。
これらの病気により脂質の代謝に異常がもたらされ、脂質異常症が生じます。
多くの動物病院では、院内にある血液検査機器で総コレステロールや中性脂肪を計ることができます。
人ではサイレントキラーと呼ばれている脂質異常症を見逃さないためにも定期的な検診を受けた方が良いと考えます。
しかし、総コレステロール値を測定するだけでは、悪玉と善玉の割合がわかりません。
ですから、総コレステロールが高い場合は、さらに詳しく調べることで、本当に治療した方がよい状態なのか判別することをおすすめします。
当院では、その測定も行っておりますので、ご興味のある方はご相談ください。