スタッフ日記

さて、では、加齢とともにあまりジャンプしなくなってきた場合や、じっとしていることが多くなってきたという場合、どうすればロコモだとわかるのでしょう?
それは、レントゲンで複数の関節を観察し、異常がないかチェックすることです。

では、異常が見つかった場合の治療はどうするのか?

ここまで書いてきた「関節の異常」とは、変形性関節症と変形性脊椎症のことで、遺伝や、慢性的な関節への負担が原因となっていると考えられています。
関節部の軟骨や骨が少しずつ変化し、治療をしても完全には元に戻りません。
そのため治療は、痛みを和らげたり、悪化を遅らせることを目的に行ないます。
痛み止めの薬で痛みが和らぎ、活動性が改善することがあります。
ただし、痛み止めは腎臓に負担がかかる場合があるので、腎臓が悪い猫は使えませんし、悪くない猫も定期的に検査をして腎臓のチェックが必要です。
関節のサプリメントやリハビリや理学療法も劇的な効果はないものの、良い効果をもたらすという報告もあります。
そして、普段から関節への負担がかからないような生活をさせることも重要です。
・滑りやすい床では、遊ばせない
・高いところから飛び降りる時は、降りる場所にクッション性の高い物を置いておく
・そもそも高いところには上がらせない

それでは、長々と色々書いたので、最後にまとめておきましょう。
・高齢になって、若い頃より活発さが落ちている場合、関節が悪くなっていることが原因かもしれない
・齢とともに足腰や背骨が悪くなる猫が多い
・猫の種類によっても発生率は異なる(スコティッシュやアメショ、日本雑種猫は多い)
・診断はレントゲンなどの画像で
・完全には治らないが、生活の質を維持するために治療をおこなう

ただ、活動性が落ちる原因も関節だけの問題とも限らないので、気になった場合は、動物病院での診察をおすすめします。
ちなみに猫がふらつきながら歩く原因ベスト3は、
1位:リンパ腫
2位:大腿動脈塞栓証(足の動脈に血の塊が詰まってしまう)
3位:変形性関節症・変形性脊椎症
となり、むしろ関節以外の病気もしっかりと念頭に入れないといけないのです。