スタッフ日記

みなさんこんにちは!
大治町、清須市、津島市、愛西市、稲沢市、名古屋市周辺にあります あま市の あま動物病院の関です。
本日は、予防のお話の第2弾!
フィラリア症についてです!

フィラリアは糸状虫とも言われ、動物に寄生する細いひも状の虫です。
人を宿主とする種類もいますが、日本では1988年に根絶宣言が出されています。
有名どころでは西郷隆盛さんがフィラリア症に感染し、その影響で馬に乗れなかったと言われています。

現在の日本で問題になっているのは、犬フィラリア症です。
犬フィラリアは、犬の心臓に寄生して仔虫(ミクロフィラリア)を産み血液中に流れ出ます。
この時に蚊が犬を刺して吸血すると、血液中の仔虫が蚊の中に移動します。
蚊の中で成長して、また犬を吸血した時に、今度は蚊の中から犬の体内に入ります。
犬の筋肉などで成長していき、最終的には大人の虫となって心臓に寄生し、仔虫を産むことを繰り返します。
成虫の寿命は5~6年で、長期間犬の心臓に寄生するため、犬の血行動態がおかしくなり心臓はもちろん肺や肝臓などの臓器にも悪影響を及ぼします。
また、フィラリアからの分泌物や仔虫・成虫の死骸に対する免疫反応なども起こります。
これにより犬は、胸水や腹水が溜まったり、呼吸困難や体重減少など体調を崩し、死に追いやられてしまいます。

これを予防するために、蚊が飛び始めて1カ月後から蚊がいなくなって1カ月後まで毎月1回投薬をします。
予防と言っていますが、実際は駆虫薬です。
犬の身体の中に入ってから1カ月くらいまで成長したフィラリアを100%駆虫します。
身体に入ったばかりのフィラリアや40~50日以上経ってしまったフィラリアは100%の駆虫ができません。
そのため感染してから1カ月後に駆虫するので、蚊が飛び始めて1カ月後から蚊がいなくなって1カ月後まで毎月1回投薬をします。
お住まいにもよりますが、基本的に4月後半から12月後半まで飲ませていただいています。
ただ、暖冬では、投薬期間が長くなりますし、お住まいが用水路の近くなどで蚊が飛ぶ期間が長いという方もおり、そういう方達には長めの予防をお勧めしております。
最近のフィラリア薬は、お腹の寄生虫も駆虫できるため、月1回お薬を継続的に飲ませる通年投与もお勧めです。

また、毎シーズンの投薬開始前には、フィラリア抗原検査で感染していないことを確かめる必要があります。
仔虫が血液中にいる状態で、フィラリア薬を飲むと、仔虫が大量に死んでワンちゃんがショック死してしまうことがあります。

動物病院は、予防シーズンの4月が1年で一番混雑します。
動物さんも飼い主様もお待ちいただくご負担を減らしていただくためにも、まだ混雑の少ない3月にフィラリアの検査に来ていただいて、お薬を持って行っていただくことをお勧めします。



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