スタッフ日記

こんにちは!
大治町、清須市、津島市、愛西市、稲沢市、名古屋市周辺にあります あま市の あま動物病院の関です。
本日は、予防のお話の第5弾!
消化管寄生虫についてお伝えします。

消化管に寄生虫がいると、下痢、血便、嘔吐、食欲不振を引き起こしたり、栄養の吸収不良が起こることで発育不良や皮膚や被毛の状態が悪くなります。
また、一緒に生活する人にも感染することがあります。
人は同様の症状が出るだけではなく、本来犬や猫に寄生する寄生虫が人に感染することで消化管の寄生虫が肺や脳、眼の中に入り込んでしまい失明したり、最悪の場合は、命に関わることもあります。
また、エキノコックス(多包条虫)という寄生虫は、北海道のみでの発生でしたが、最近では愛知県でも発生が認められます。
エキノコックスは、人が感染すると5~15年は無症状ですが、その間に肝臓で病変を作り症状が出た時には重い肝障害の状態になっています。
治療は、病変部の肝臓の完全切除以外にないとても怖い寄生虫です。

多くの消化管寄生虫は、子孫を残すために産卵などをして、宿主の便とともに外に排出されます。
この便から次の動物へ感染したり、排便時にお尻の毛などについて毛づくろいで口に入れることで同じ個体で感染を繰り返します。
消化管寄生虫の卵は肉眼では見えません。
ワンちゃんの場合、散歩や共有施設の利用時に感染することがあります。
完全室内飼育のワンちゃんや猫ちゃんでも、親からうつされていることもあるため、飼育時から寄生虫がいることもあります。
また、同居動物が散歩に行く場合は、そこからうつされてしまいます。

人への感染は主に口からですので、動物を直接舐めたりキスをしたりしないこと、動物に触れた後は手を洗ってから食事をするなどの対応が必要です。​

フィラリアのお薬の中には、お腹の中の寄生虫も一緒に駆虫することができるものもあります。
当院で扱っているフィラリア薬でお腹の寄生虫にも効果のあるものとして
イベルメック(犬):フィラリア+回虫、鉤虫
ネクスガードスペクトラ(犬):フィラリア+ノミ・マダニ+回虫、鉤虫、鞭虫
シンパリカトリオ(犬):フィラリア+ノミ・マダニ+回虫、鉤虫
アドボケート(犬、猫):フィラリア+ノミ+耳ヒゼンダニ+回虫、鉤虫
ブロードライン(猫):フィラリア+ノミ・マダニ+回虫、鉤虫、条虫(瓜実条虫やエキノコックス)

ワンちゃんの場合、エキノコックスや瓜実条虫(サナダムシ)の駆虫にはドロンシットという飲み薬が効果的です。

気になる方は、当院スタッフまでご相談ください。



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